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脊髄腫瘍とは、どのような症状なのかや診断・治療法についてをまとめています。脊髄腫瘍が気になる方、脊髄腫瘍を知りたい方は是非ご覧ください。
脊髄腫瘍とは、その名称からも分かるように脊髄に腫瘍が確認される症状です。
クモ膜、硬膜、神経鞘や脊柱管内などに腫瘍が生じることで脊髄や神経根が圧迫されてしまうことから、神経痛や筋力低下等がみられることになります。脊髄周囲の硬膜に発生する髄膜種、神経を保護する神経鞘腫、神経に発生する神経膠腫の3種類が主な脊髄腫瘍となるのですが、多くが両性受傷です。
ただし、それ以外の種類の主要が生じるケースもあります。かつては発見が遅れがちだったことから、自覚症状が現れるときには進行が進んでいるケースが珍しくありませんでしたが、近年は検査環境、さらには検査機器の進歩によって脊髄腫瘍を発見できる可能性が高まったことから、決してかつてのような不治の病ではなくなりつつあります。
そんな脊髄腫瘍について、多々見られる硬膜内髄外腫瘍、髄内腫瘍、硬膜外腫瘍についてそれぞれ特徴を解説していきましょう。
参照元:東京女子医科大学脳神経外科(https://www.twmu.ac.jp/NIJ/column/sekizuigeka/sekizui.html)
その名称からもわかるように、脊髄硬膜の内側に発生する主要で、内側から脊髄を圧迫する、脊髄腫瘍の中で多く見られるタイプです。脊髄神経根からシュワン細胞腫、髄膜から発生する髄膜種が挙げられますが、いずれも両性の主要です。ただし、徐々に大きくなることで脊髄を圧迫し、身体に麻痺や障害を及ぼします。基本的な治療としては外科的手術になります。また、全摘出後の再発の危険性は低いとされています。
参照元:東京女子医科大学脳神経外科(https://www.twmu.ac.jp/NIJ/column/sekizuigeka/sekizui.html)
脊髄の内側に発生する主要です。こちらも星細胞腫、上衣腫、血管芽腫、海綿状血管腫等様々な種類の主要があり、いずれも脊髄を圧迫することで身体に障害を起こします。こちらも外科的手術による摘出が治療の基本で、全摘出することで再発の可能性は低くなるのですが、種類によっては全摘出ができません。さらに星細胞腫に関しては再発リスクもあります。
そのため、髄内腫瘍の場合、どのタイプの髄内腫瘍なのかによって治療・対応が異なります。
参照元:東京女子医科大学脳神経外科(https://www.twmu.ac.jp/NIJ/column/sekizuigeka/sekizui.html)
硬膜外腫瘍は脊柱管内の硬膜外スペースに生じる腫瘍ですが、その多くががんからの転移です。硬膜の外から脊髄を圧迫したり破壊するなど、脊柱に対してプレッシャーを与えます。
硬膜外腫瘍もまた、神経鞘腫、神経線維腫、髄膜腫、脊索腫に分類することができます。これらは硬膜外腫瘍であることは間違いありませんが、それぞれ特徴が異なりますので、治療を行うにあたっては、どのタイプの硬膜外腫瘍なのかを判断しなければなりません。
参照元:日本脊髄外科学会(http://www.neurospine.jp/original30.html)
しびれ、感覚障害、筋力低下といった症状が確認されています。また、近くや運動にも障害が生じるのですが、これらの症状だけで脊髄腫瘍だと断言することは難しいです。なぜなら、これらの症状は脊髄炎や多発性硬化症でも見られるものです。そのため、より正確な検査が必要です。
参照元:日本整形外科学会(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spinal_cord_tumor.html)
神経学的な診察だけではなく、X線撮影、CTスキャン、MRI等にて審査を行うのですが、X線では脊髄腫瘍は発見できないことから、X線にて「発見できなかった」場合で、かつMRで確認された場合には脊髄腫瘍だと画定します。
特にMRIの場合、脊髄腫瘍なのかを確認するだけではなく、圧迫の度合いまで確認できます。また、確定診断に関しては原則手術で採取し、病理組織診断を行います。
参照元:日本脊髄外科学会(http://www.neurospine.jp/original31.html)
脊髄腫瘍の性質によって治療方法は異なります。例えば神経鞘腫や髄膜炎の場合、椎弓形成や椎弓切除等、手術による摘出を行うケースもありますが、無症状の場合、慌てて治療するのではなく、経過観察することもあります。そのため、発見=即手術ではありません。患者の状態によって手術が大きな負担となることもあれば、腫瘍と脊髄の位置関係も加味しなければなりませんので、一概に「こうだからこうする」と断言することは難しいです。
参照元:日本脊髄外科学会(http://www.neurospine.jp/original31.html)
脊髄腫瘍は他の主要同様、いつどのように発生するか定かになっていないことから、予防がとても難しい症状です。そのため、予防法というよりも、早期発見が鍵となります。腫瘍が小さい段階で発見できれば治療難易度も下がります。
そのため定期的な検査、あるいは違和感が続くようであれば診察を受けることが大切です。
参照元:社会福祉法人恩賜財団済生会(https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/spinal_cord_tumor/)
脊髄腫瘍とはどのような症状なのかや症状、診断、予防等についてをまとめてみました。いつ生じるか分からない症状ですが、早期発見であれば決して難しい治療ではありません。
一方で、脊髄腫瘍には様々な種類があることも分かっていただけたのではないでしょうか。そのため、「どのタイプの脊髄損傷なのか」を把握することも大切です。なぜなら、それぞれ治療法が異なるからです。
この点からも、適切な検診・検査を受け早期発見できるかが治療のポイントとなりそうです。
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新小文字病院 脊髄脊椎外科 治療センター |
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![]() 引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター https://www.shinkomonji-hp.jp/ |
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2023年手術実績:193件 (頚椎84件、胸・腰椎109件) 実績引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター(https://www.shinkomonji-hp.jp/storage/uploads/block/202402/20240209_164918.pdf) |
2023年手術実績:186件span> (脊椎固定術、椎弓切除術含む) 実績引用元:九州中央病院公式(https://www.kyuchu.jp/about/about/statistics.html) |
2023年手術実績:14件span> (頸椎) 実績引用元:福岡志恩病院公式(https://shion-hp.jp/_lib/wp-content/themes/shion.wp/assets/pdf/operation_2023.pdf) |
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