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頚椎症性脊髄症は中高年に多くみられる病気です。肩こりや手足のしびれ・麻痺といった症状がみられますが「歳のせいかな」と思って放っておくと、症状が進行して生活に大きな支障がでてきます。
本記事を読んで気になる症状があったら、早めに病院を受診しましょう。
頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)とは、頸椎(首の骨)の中を通っている脊髄や周辺の神経が圧迫されることによって四肢の機能に障害が現れる病気です。
中高年に多くみられる病気で、特に男性よりも女性に発症しやすいと言われています。
次に、頚椎症性脊髄症の症状や発症する原因について詳しくみていきましょう。
参照元:頚椎症性脊髄症の診療ガイドライン(https://www.jstage.jst.go.jp/article/joma/122/1/122_1_67/_pdf)
頚椎症性脊髄症の症状は、首の痛みや肩こり、上肢のしびれ、手指巧緻運動障害などがあります。
手指巧緻運動障害とは、指先の細かい作業がしづらくなることです。たとえば、箸が持ちにくい、ボタンが留めづらいといった症状が日常生活で現れます。
他にも、何もない所でつまずくといった歩行障害が出ることもあります。症状が進行すると、手すりを使わないと階段の上り下りができなくなるような重い症状を伴います。
また、頻尿や失禁といった膀胱と直腸の機能が低下する症状が現れることもあります。
頚椎症性脊髄症が発症する原因は、加齢により頸椎が変形することで引き起こされるものがほとんどです。
年齢を重ねると頸椎の椎間板(骨同士をつなぐクッションの役割をしているもの)が変形したり、または骨棘(骨のとげ)が形成されたりすることで、頸椎の脊柱管の中にある脊髄や周辺の神経を圧迫し、痛みやしびれといった症状を発症します。
また、生まれつき脊柱管が狭い「発育性脊柱管狭窄症」の方も、頚椎症性脊髄症を発症しやすいと言われています。
首の痛みや肩甲骨周囲の痛み、手のしびれなどの症状のみの場合は、内服薬や保存療法での治療が主となります。しかし、首や手の痛みだけの場合も、安静にしているにもかかわらず激しい痛みがあったり、発熱を伴う痛みがあったりするは、早めに受診を検討する必要があります。ここでは、頸椎症性脊髄症の主な治療法について解説していきます。
首の安静が図るため、頚椎に負担をかけない姿勢や動き方をします。痛みが強いときは、首の安静に保つために、頚椎カラー(ネックカラー)による装具を用いる場合もあります。
強い症状が見られるときには、消炎鎮痛効果のある内服薬・湿布・神経の内服薬などを併用します。しびれ・巧緻運動障害が主に見られる場合には、ビタミンB剤を処方します。
医師の指示のもと、理学療法士による「リハビリテーション(リハビリ)」で痛み・しびれの改善を目指します。通常、痛みが落ち着いて来てからリハビリを行います。リハビリでは、患者様の状態に合わせ、運動療法・徒手療法・牽引療法・ストレッチ・温熱療法・物理療法・装具療法を組み合わせて実施します。
症状が重症化した場合、手術が必要になるケースも。首の後方より切開し脊柱管を広げる「椎弓形成術」や、首の前方から切開して神経の圧迫を除去した上で固定する「前方除圧固定術」などの手術を選択します。
頚椎の変性は加齢が原因のため、確実に発症を予防する方法はないとされています。発症のリスクを減らすためには、日頃からなるべくよい姿勢を心がけ、頚椎への負担を減らすようにしましょう。
筋肉がやせてくると骨の衰えるリスクも高まるため、日光浴をしながらウォーキングも有効です。その場合は、転倒には十分気を付ける必要があります。
痛みや手足の軽いしびれだけでなく、橋がうまく使えない・小さなボタンをとめにくい・字が書きにくい・階段を降りにくい・小走りできないなどの症状が見られる場合は、なるべく早めに脊椎脊髄病の専門施設を受診する必要があります。
このような症状は、首の部分で神経が圧迫されているため起きている可能性があり、症状が進むと平地も杖つえが必要になるほか、さらにひどくなると歩けなくなったり、尿や便が出にくくなったりする危険性があります。
万が一転倒してしまと、首の脊髄を痛めることがあり、非常に危険です。
頚椎症性脊髄症は、加齢によって変性した頚椎の組織が脊柱管内を圧迫することにより発症します。運動や感覚に関与する頚椎がダメージを受けると、手足の痛み・しびれ・感覚異常、・歩行障害・排尿障害といった神経症状を引き起こすのが特徴です。
症状がさまざま生じてしまい、転倒などが起こると、軽いけがでも急激に悪化するケースもあるため、頚椎症性脊髄症と診断された場合、すみやかに治療を開始し、症状の進行を抑えなければなりません。
気になる症状がある方は、自己判断でそのまま様子を見るのではなく、早めに専門の医療機関を受診しましょう。
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新小文字病院 脊髄脊椎外科 治療センター |
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![]() 引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター https://www.shinkomonji-hp.jp/ |
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2023年手術実績:193件 (頚椎84件、胸・腰椎109件) 実績引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター(https://www.shinkomonji-hp.jp/storage/uploads/block/202402/20240209_164918.pdf) |
2023年手術実績:186件span> (脊椎固定術、椎弓切除術含む) 実績引用元:九州中央病院公式(https://www.kyuchu.jp/about/about/statistics.html) |
2023年手術実績:14件span> (頸椎) 実績引用元:福岡志恩病院公式(https://shion-hp.jp/_lib/wp-content/themes/shion.wp/assets/pdf/operation_2023.pdf) |
2023年手術実績:10件span> (椎弓形成術) 実績引用元:福岡大学医学部公式(https://www.med.fukuoka-u.ac.jp/neurosur/patient_result.html) |
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