脊柱管狭窄症の手術を、より安心・納得してうけるために。 手術実績が豊富な医療機関を集めました。手術やセカンドオピニオンを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
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新小文字病院 脊髄脊椎外科 治療センター |
九州中央病院 | 福岡志恩病院 | 福岡大学医学部 | 白十字病院 |
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2023年手術実績:193件 (頚椎84件、胸・腰椎109件) |
2023年手術実績:186件 (脊椎固定術、椎弓切除術含む) |
2023年手術実績:14件 (頸椎) |
2023年手術実績:10件 (椎弓形成術) |
2023年手術実績:8件 (頚椎) |
※選定条件:公式サイトで椎弓形成術の手術実績を公表しており、低侵襲手術が可能で、リハビリ病棟を開設している福岡県の医療機関をピックアップしました(2024年7月9日調査時点)。
患者は誰しも「いい先生に手術してもらいたい」と願います。具体的にはどんなところに注目すべきでしょうか。そのポイントを紹介します。
近年はランキング本などが書店に並んでいますが、やはり手術の症例数が多いことは、一定の技術レベルを判断する目安になるでしょう。首、腰、の各部位に対する椎弓形成術を、どのくらい実施しているのかに注目してみてください。
低侵襲手術とは、身体への負担を最小限に抑える手術のこと。より狭い範囲の手術で最大の治療効果を目指すためには、正確な診断と高度な技術・設備が必要。低侵襲手術が可能だということは、その条件を満たしている医療機関だといえます。
手術が成功しても、その後の経過を慎重に観察していく必要があります。1日でも早い社会復帰のため、手術後もスムーズにサポートできる体制が整っている医療機関がよいでしょう。医師とリハビリチームの連携が重要なポイントになります。
脊柱管狭窄症の手術法「椎弓形成術」の実績が多い福岡県の医療機関はこちら。公式サイトで2023年の手術実績を公表しており、低侵襲⼿術が可能で、リハビリ病棟を開設している医療機関を紹介しています。医師の経歴や口コミ・評判も掲載。(2024年7月9日調査時点)
福岡や九州だけでなく
日本各地から患者が訪れる
実績引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター
(http://center.shinkomonji-hp.jp/wp-content/themes/sekizui/pdf/jisseki2001b.pdf)
手術用顕微鏡を用いた
繊細な手術を実施
椎弓形成術のほとんどすべてを低侵襲手術で実施。脳神経外科手術に用いる高度な手術用顕微鏡を用いた低侵襲手術は、手術の安全性・正確性を高める上で非常に有用で、顕微鏡手術であれば万一の予期せぬトラブルにも適切に対応することが可能です。さらに、手術が必要な患者には、なるべく待たせることのないように、できるだけ早く手術日程を調整するように心がけています。
状況に合わせたリハビリを
365日提供
リハビリテーションが充実しているのも同院の特徴で、手術前の状態をしっかり把握した理学療法士、作業療法士が手術後のリハビリテーションを担当します。患者の状態に合わせた専門的なリハビリテーションを365日休みなく提供することで、早期の自宅復帰、職場復帰に向けたフォロー体制を構築しています。もちろん通院や訪問でのリハビリ、在宅生活のサポートも可能です。
髙橋 雄⼀ 院長 兼 脊髄脊椎外科治療センター長 兼 脊髄脊椎外科主任部長
髙橋センター長は日本脊髄外科学会認定医・指導医の資格を持つ脊髄・脊椎手術のエキスパート。脊髄脊椎外科は神経を含む運動器官の治療として、整形外科や脳神経外科にとらわれず特化すべき分野だというポリシーのもと、専門チームによる高度な治療を実践しています。
所在地 | 福岡県北九州市門司区大里新町2-5 |
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休診日 | 日曜・祝日、土曜午後(専門外来)※救急は24時間365日受付 |
受付時間 | 8:30〜11:00 (専門外来) |
電話 | 093-391-1001 |
病床数 | 214床 |
脊椎疾患に対する
さまざまな治療を提供
実績引用元:九州中央病院公式
(http://kyushu-ctr-hsp.com/about/statistical/data/dpcdata/template.html)
鮮明な拡大画像で
手術の安全性を向上
脊椎外科では的確な診断と身体への負担が少ない治療の提供が方針で、脊椎内視鏡や顕微鏡をいち早く導入。脊椎の後縦靭帯骨化症や黄色靭帯骨化症、脊髄症などの疾患や広範囲にわたる手術に際しては、拡大された鮮明な画像で手術の正確性を向上させています。3人の脊椎外科医が在籍しており、福岡市内では症例数の多い病院のひとつです。
退院後のリハビリ
プログラムを計画
低侵襲手術を数多く取り入れ、できるだけ手術後の痛みが少なく、早期退院できるように工夫しているのが同科の特徴。手術後のリハビリテーションにも力を入れ、退院後のリハビリ計画も作成し、自宅で可能なプログラムも提供しています。また、多くの整形外科医療機関と連携しているので、紹介元の医療機関に戻ってからもフォローアップが受けられます。
有薗 剛 副院長 整形外科部長
九州大学医学部、同大学院を卒業後は関連病院で研鑽を積み、米国バイオメカニカルリサーチ研究所、九州大学医学部整形外科講師等を経て現職。患者の話をよく聞き、痛みの原因を理解してもらうことがとても大切だと考えています。
所在地 | 福岡県福岡市南区塩原3-23-1 |
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休診日 | 土曜・日曜・祝日、年末年始※救急は24時間365日受付 |
受付時間 | 8:30~11:00 | 電話 | 092-541-4936 |
病床数 | 330床 |
常に新しい医療を追求・提供
実績引用元:福岡志恩病院公式
(https://shion-hp.jp/)
精度の高い
検査を実施
福岡志恩病院では、脊椎やスポーツ整形をはじめとする整形外科領域において、高機能なエックス線透視装置を用いた精度の高い検査が行われています。
脊髄造影や関節造影といった専門的な造影検査に加え、透視下でのブロック注射や骨折・脱臼の整復など、幅広い処置にも対応可能です。
診断から治療、リハビリテーションまで一貫して行われており、患者が早期に日常生活へ復帰できるよう、質の高い医療サービスが提供されています。
退院後のことも考えたリハビリ
椎弓形成術を受けた患者に対して、徹底したフォロー体制が整っています。理学療法士や作業療法士が連携し、術後のリハビリを個別に対応
関節の可動域を広げる徒手療法や、筋力を増強する運動療法などを通じて、患部の機能回復をサポートします。また、退院後の社会復帰や日常生活での動作指導も行い、再発防止と快適な生活への移行をしっかりと支援します。
園田 康男 院長
園田院長は、日本整形外科学会専門医および日本脊椎・脊髄病学会指導医の資格を持ち、整形外科全般、とりわけ脊椎や外傷の治療に精通しています。
的確な診断と適切な治療をモットーに、患者と二人三脚で治療に取り組み、手術だけでなく、保存的治療やリハビリテーションも重視しています。
患者に対して病状や治療方針を丁寧に説明し、安心して治療に臨める環境を提供することを大切にしています。
所在地 | 福岡県小郡市美鈴が丘1-5-3 | 休診日 | 土曜・日曜・祝日・年末年始 | 受付時間 | 9:00~12:00/14:00~17:30 |
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電話 | 0120-23-0318 |
病床数 | 記載なし |
早期の社会復帰への対応が充実
実績引用元:福岡大学医学部公式
(https://www.med.fukuoka-u.ac.jp/neurosur/index.html)
体に負担の少ない治療法を導入
福岡大学病院脳神経外科では、脳卒中や脳腫瘍からパーキンソン病、小児脳疾患、脊髄や末梢神経の疾患まで、幅広い治療を提供しています。
特に、神経内視鏡手術や血管内治療など、体に負担の少ない先進的な治療法を導入し、ナビゲーションシステムを用いた手術を積極的に行っています。手術後のリハビリにはロボットスーツHALを用い、神経機能の回復を目指す治療を行い、患者さんの早期社会復帰を支援しています。
ベッドサイドからリハビリまで
切れ目のない医療を提供
福岡大学病院では、急性期のリハビリテーションに特化した体制が整っています。入院期間が短い患者さんが多く、救命救急センターからの依頼にも対応しています。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が連携し、小児から高齢者まで幅広い疾患に対応するリハビリを提供しています。
特に脳卒中や整形外科手術後の患者さんに対しては、ベッドサイドリハビリから運動器、呼吸・循環器のリハビリまで、一貫してサポートを行い、切れ目のない医療を提供しています。
安部 洋 診療部長 兼主任教授
安部部長は、日本脳神経外科学会や日本脳卒中学会の専門医・指導医資格を持つ脳神経外科医です。
特に脳腫瘍、頭蓋底外科手術、脳卒中の外科手術に精通しており、神経内視鏡を用いた手術でも高い技術を有しています。
診療においては、医師や看護師、リハビリスタッフと連携したチーム医療を重視し、緊急時には救命救急センターと協力して迅速かつ患者さんに合った治療を提供しています。
所在地 | 福岡県福岡市城南区七隈7-45-1 |
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休診日 | 火曜・木曜・土曜・日曜 | 受付時間 | 初診:平日8時30分〜12時00分 再診:平日8時30分〜15時00分 |
電話 | 092-801-1011 |
病床数 | 記載なし |
ナビゲーションの導入で安全性を高い治療
実績引用元:白十字病院公式
(https://www.fukuoka.hakujyujikai.or.jp/)
患者一人ひとりに合った治療を提案
白十字病院では、2021年に新病院への移転とともに脳卒中センターを開設し、高精度な手術顕微鏡やナビゲーションシステムを導入。
特に、脊椎および末梢神経の治療に力を入れており、頚椎症や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの疾患に対して、低侵襲な神経内視鏡手術やハイブリッド手術室を用いた複合治療を提供しています。
高度な診断装置と手術技術を駆使し、患者さん一人ひとりに合った治療を行うことを目指しています。
訪問リハビリや通所リハビリにも対応
白十字病院では、入院早期からリハビリテーションを開始し、早期社会復帰を目指します。医師の指示のもと、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が連携し、心身機能の回復をサポートします。
また、退院後も訪問リハビリや通所リハビリを提供し、患者さんが自宅での生活を安心して続けられるよう支援しています。急性期から退院後まで一貫したリハビリ体制を整え、患者さんの生活を全力でサポートします。
井上 亨脳卒中センター長
井上センター長は、日本脳神経外科学会および日本脳卒中学会の専門医資格を持つ脳神経外科医です。
九州大学医学部脳神経外科に入局後、米国フロリダ大学での留学経験を経て、数々の要職を歴任。
2022年より白十字病院の脳卒中センター長に就任し、新しい手術顕微鏡やナビゲーションシステムを駆使した安全性が高く低侵襲な治療を提供しています。
特に脳卒中治療においては、SCU(脳卒中ケアユニット)を開設し、質の高い治療を目指しています。
所在地 | 福岡県福岡市西区石丸4-3-1 | 休診日 | 土曜、日曜、祝日 | 受付時間 | 9:00~12:00、13:00~17:00※紹介状のある方 |
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電話 | 092-891-2511 |
病床数 | 282床 |
そもそも椎弓形成術とは、どんな手術なのでしょうか。背骨の手術というのは何となくわかっても、もう少し詳しく知りたいですね。そこで、今回ピックアップした5院の中で椎弓形成術の実績が最も多い、福岡県の新小文字病院・脊髄脊椎外科治療センター長の髙橋雄一先生に話を伺ってみました。
髙橋 雄⼀ (院長 兼 脊髄脊椎外科治療センター長 兼 脊髄脊椎外科主任部長)
新小文字病院の基本理念「手には技術、頭には知識、患者には愛を」を実践・体現する脊髄脊椎外科治療センターのトップドクター。その評判は広く知られており、九州のみならず日本各地から髙橋先生の治療を求めて多くの患者が訪れています。
頸椎症性脊髄症や頚椎後縦靭帯骨化症などの患者は、広い範囲で神経の通り道である脊柱管が狭くなっています。そこで、神経を囲んでいる椎弓という背骨の一部をドリルで削って開き、その間に人工骨を挿入して脊柱管を広くする手術が椎弓形成術です。
方法は2種類あり、ひとつが椎弓を正中で開く縦割式、もうひとつが片側から開く片開き式です。新小文字病院では顕微鏡を使用し、腫瘍摘出などの手術にも応用できる縦割式を採用しています。
広い範囲にわたって脊柱管を広げるので、再発する可能性は低いと思われます。とはいえ、手術後も加齢によって変性は進んでしまうため、再手術が必要になることも少なからずあります。手術後の合併症で再手術が必要になる場合もあります。
新小文字病院の場合、2019年までに3,000件以上の椎弓形成術を行なってきましたが、再手術の要不要に関わらず手術後の合併症の発生率は約4%です。
脊髄はいったん障害を起こすと、そのままでは回復は見込めません。症状が徐々に悪化している場合は手術が必要です。手のしびれだけであれば内服薬などで様子を見ることも多いのですが、箸が使えない、力が入らない、歩行時につまずくなどの症状が出てくると手術の適応があると考えられます。
このような症状が出ていても「年のせいだろう」と考える方も多くいらっしゃいます。ですが、何らかの症状を自覚されているのであれば早めに医療機関を受診し、検査を受けることをおすすめします。
椎弓形成術がどのような手術なのかはおわかりいただけたと思います。それでは実際の椎弓形成術の流れや手術後のリハビリ、リスクや合併症についても説明します。そして患者が知っておきたい病院の選び方や、実際に手術を受けられた方の体験談も気になるところですね。
頸椎の後方(椎弓)に切り込みを入れることで、脊髄が通る骨のトンネルである脊柱管を広げて、脊髄を後方に逃がすことを目的で行います。開いた椎弓の隙間には、人工骨を挿入します。椎弓をひらく方法として、図のように椎弓の正中で開く方法(縦割法)と、片側に切り込みを入れて開く方法(片開き法)があります。
馬尾神経の背側にある、上下の腰椎を支える組織(黄色靱帯)が、加齢で変化したことなどによる神経圧迫を取り除きます。図のように、片側から黄色靭帯と一部椎弓を除去する方法のほか、棘突起(きょくとっき)と呼ばれる背骨の飛び出している部分を縦に割って、除圧を行った後に再建する方法などがあります。
早期の退院・社会復帰を実現するためには、早期離床と早期リハビリがとても重要です。早ければ手術後2日目からリハビリを開始し、日曜や祝日であっても毎日リハビリを行なうことが理想的でしょう。退院後の生活も見据えて、普段の姿勢や生活上の注意事項などもきちんと専門家の指導を受けるべきです。
可能性は低いのですが、万が一手術によって脊髄や神経根を損傷してしまうと手足の麻痺や知覚鈍麻、排尿排便障害といった合併症を起こすことがあります。切開した部分に血腫(血のかたまり)ができることによる神経麻痺、手術後の感染症や深部静脈血栓なども代表的な合併症です。
椎弓形成術は非常に専門性の高い手術です。まずは脊椎の治療を専門とする医療機関や、より多くの手術実績を持ち低侵襲手術が可能な医療機関を選ぶことが大切だといえます。脊椎というリスクの高い部分の手術ですから、これまでの実績は欠かせないポイントです。 リハビリの体制が充実しているかも、手術後のフォローという観点では重要です。
患者にとって気になるのは、どんな手術なのか、どこで受けるべきなのかと同じくらい、実際に手術を受けた人の体験談かもしれませんね。また、手術を検討する場合は主治医以外の意見、つまりセカンドオピニオンを受けることも重要です。
脊髄脊椎疾患に対する手術は、椎弓形成術のほかにもさまざまな方法があります。たとえば椎弓の一部を切除することによって脊柱管の圧迫を取る椎弓切除術、脊柱管の圧迫を取ってから骨の幅を保つために固定する脊椎固定術などです。
椎弓形成術後は合併症を予防するために、注意深く看護を行います。術後1日目から3日目には歩行が可能になりますが、個々の患者に合わせての介助が必要です。高齢の患者に対しては、術後のせん妄にも気を付けて看護を行っています。
椎弓形成術は医療費控除の対象となるものと、ならないものがあります。医療費控除の対象となる手術は、使用する材料や期間、薬剤などの細かい規制があるのが特徴です。対象となる金額は最高200万円で、実際に支払った医療費の合計額から10万円を引いた額が控除額となります。
椎弓形成術は、これまでに長い歴史の中で少しずつ発展してきました。脊髄手術の始まりといえる治療が初めて成功したのは1778年のことです。それから日本では平林法や黒川法といった方法が生み出され、広まっていきました。
できるだけ身体への負担を減らしたいと考えた際に選択されているのが、椎弓形成術の中でも低侵襲手術と呼ばれるものです。傷口が小さく目立たない、リハビリにかかる期間も少ないなど、さまざまなメリットがあります。
椎弓形成術には、先端にカメラが内蔵された内視鏡が使われています。傷口が20mm以内に抑えられるためダメージが少なく、術後の回復も早くなっています。顕微鏡など、他の精密機器と組み合わせた治療でさらに安全性が追求されています。
椎弓形成術で取り除いた骨などの部位は、人工骨を糸で固定する手法が一般的でした。2014年からは人工骨に代わるインプラント部品が販売され、手術に用いられています。複雑な手わざが簡易化され、術部への高い固定力が期待できます。
椎弓形成術では術前に入院診療計画書が作成されることがほとんどです。入院診療計画書には入院中に行われるケアの内容や安静度の目安などが記載されており、確認することで手術後の回復度合いがわかるようになっています。
椎弓形成術で医療保険請求ができる場合があります。給付金が受け取れれば、入院中の金銭的負担も軽減されるはずです。しかし医療保険請求には費用がかかること、場合により提出書類が変わることなど注意点もあります。
それでは、どのような場合に椎弓形成術を行なうのでしょうか?代表的な3つの疾患について、それぞれ手術適用の症状を説明します。
脊柱管狭窄症は、加齢などさまざまな原因によって背骨や靭帯などが厚くなり、脊柱管という神経の通り道が圧迫されて狭くなる病気です。そうなると神経の血行が悪くなり、特に歩行時にお尻から足にかけて痛みやしびれが出ます。薬でも改善しない場合は手術を検討します。
背骨のひとつひとつを「椎骨」といいますが、この椎骨の間でクッションの働きをしている軟骨が椎間板です。椎間板が変性して組織の一部が飛び出してしまうのが椎間板ヘルニアで、神経を圧迫して痛みやしびれを起こします。症状が強い場合は手術の適用となります。
脊椎の後ろ側を縦に走っている靭帯が骨化する病気を後縦靭帯骨化症といい、もっとも多いのが頚椎です。この病気で脊髄が圧迫されると手足のしびれや歩行困難などが出現し、ひどくなると排尿コントロールが上手くいかなくなります。そうなると手術を検討したほうがいいでしょう。
こちらでは、福岡県内で椎弓形成術の実績がある主な医療機関を紹介します(2020年11月時点)。手術を検討されている方は、是非参考にしてみてください。
高度な手術用顕微鏡を用いた低侵襲の椎弓形成術を数多く実施。脊髄脊椎外科専門の経験豊富な医療チームによる質の高い医療を提供しています。365日休みなく受けられる充実のリハビリテーション体制も早期の退院・社会復帰をサポートします。
開院以来16,000件以上もの脊髄脊椎外科手術を手がけてきた、専門特化型の医療機関。日本脊椎脊髄病学会の指導医が7名在籍し、高度な手術を修練しています。治療は整形外科医を中心とした専門スタッフによる医療チームが対応します。
特筆すべきは脊椎外科の症例数の多さ。3人の脊椎外科医が在籍し、的確な診断と身体的負担の少ない治療を提供してきました。低侵襲手術を積極的に取り入れ、脊椎内視鏡や顕微鏡をいち早く導入するなど質の高い治療を目指しています。
同院では脳神経外科において脊髄脊椎疾患を受け入れています。日本脊髄外科学会脊髄脊椎外科専門医が頭蓋頚椎移行部(頭部と首のつなぎ目)から腰椎・仙椎まで脊椎全般の病気に対応。脳神経外科ならではの高度で繊細な手術を特徴とします。
同院の脊椎・脊髄外科ではあらゆる脊椎脊髄疾患に対して、必要に応じた顕微鏡手術や内視鏡手術・インストゥルメンテーション(金具による固定)手術を実施。スタッフは産業医経験を持っているので、就業に関する細かいアドバイスも受けられます。
整形外科では年間900件を超える手術を行なっており(2019年実績)、中でももっとも多いのが脊椎領域の345件。患者の数は増加傾向にあり、今後も同科を支える柱のひとつとして脊椎外科における高度で先進的な医療を実践していく予定です。
まずは内服薬で保存的治療を行なうのが同院の原則ですが、症状が改善しない場合は手術を選択します。その場合は早期のリハビリテーションを行なって早期退院・社会復帰を目指し、近隣医療機関との連携で長期的なサポートにも対応します。
脊髄脊椎外科専門医による脊椎固定術、椎弓切除・形成術を数多く実施。どの手術も数日で歩行可能となり、2~3週間で退院またはリハビリ転院できるほど回復するなど、多くの患者において良好な治療成績を上げています。
高齢化社会に伴う脊椎外科ニーズの増大に伴い、手術後の早期リハビリテーションが可能な痛みの少ない治療を目指しています。中でも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、頸椎症性脊髄症の患者に対する手術実績があります。
同院の脊椎・脊髄グループは頚椎から腰椎まであらゆる疾患に対応していますが、頚髄症や腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などが大多数を占めます。従来のオーソドックスな手術から低侵襲手術まで、新しい技術も駆使して治療にあたっています。
保存療法を続けても改善しない場合は、手術を選択します。手術後はオーダーメイドのリハビリテーションプログラムを作成。退院後も安心かつ安全な生活を送れるよう、退院後のリハビリテーションにも積極的に関与します。
若年者から高齢者まで、あらゆる年代の背骨の病気を受け入れている病院。増えつつある脊椎疾患の患者に適切な治療を提供することで、生活の質を向上させるサポート役を担います。100名のスタッフを有する充実のリハビリ体制も特徴。
2019年は年間634件の手術を実施し、うち92件が脊椎固定、椎弓切除術という脊椎手術症例が豊富な病院。手術を受けた患者には翌日からリハビリテーションを開始するなど、早期退院に向けてさまざまな機能回復に取り組んでいます。
整形外科専門の病院で、脊椎から四肢の関節まであらゆる整形外科疾患に対応。手術実績も豊富で、脊椎外科分野でも数多くの手術を実施してきました。その専門性を活かし、セカンドオピニオンも積極的に受け入れています。
同センターでは2014年に脊椎疾患の専門的治療を行なう体制が整いました。頸椎症性脊髄症や頚椎後縦靭帯骨化症、椎間板ヘルニアといった病気に対して、30年以上にわたって診断・治療に携わってきたドクターが手術に対応しています。
頚椎から腰椎までほぼすべての脊椎疾患に対応。手術用顕微鏡や脊椎内視鏡を用いた低侵襲手術が特徴で、特に神経組織を扱う手術は顕微鏡や内視鏡の使用を原則としています。高度の変性や不安定性がみられる症例には低侵襲の脊椎固定術も検討可能です。
同院は日本脊椎脊髄病学会の基幹研修施設に認定されており、手術件数や脊椎脊髄外科指導医の常勤など高いハードルをクリアしている病院です。手術後の痛みにはブロック注射などで対応し、早期のリハビリテーション開始を実現しています。
常勤医5名すべてが日本整形外科学会整形外科専門医であり、低侵襲手術を中心とした脊椎外科手術を年間184件実施しています(平成29年度実績)。リハビリテーションにも力を入れ、手術前から積極的に実施することで筋力低下を防ぎ、早期の社会復帰を目指します。
同院では脊椎脊髄疾患の中でも腰椎の患者がもっとも多くなっています。手術は高機能の手術用顕微鏡を使用した、小さい皮膚切開による低侵襲手術を実施。組織へのダメージが少なく、確実性の高い手術が可能となりました。
日本脊椎脊髄病学会認定指導医の資格を持つ常勤医2名がさまざまな脊椎疾患に対応。手術後のリハビリテーションはもちろん、退院後は「夕方リハビリテーション」をグループ病院で受けることができるので、社会人や学生にはありがたいですね。
脊椎外科で25年以上の経験を有する専門指導医を含む、計7名の整形外科医による体制で真摯に診療を行なってきました。患者の個別性を重視した治療を選択していくことで、脊椎外科でも多くの治療実績を上げ、地域からの信頼を得ています。
脊椎手術において積極的に低侵襲手術を取り入れ、出血量の軽減や感染症などの合併症防止に努めている同院。「自分の家族だったらどんな治療を受けたいか」という視点を忘れず、少しでも身体的負担の少ない治療プランを提案しています。
高倍率顕微鏡や脊椎内視鏡を用いた低侵襲手術で、早期の歩行開始と早期退院を目指します。顕微鏡手術は神経への負担を減らすことができるので、脱出したヘルニアや難渋するタイプのヘルニアでも確実性の高い手術が可能です。
脊椎脊髄疾患の診断と治療を特化させるために脊髄外科を2016年に開設。近年では椎弓形成術38件を含む127件の手術を実施しました(2019年度実績)。手術は顕微鏡を使用し、安全性と正確さを最優先に考えた手術を心がけています。
同院は以前から脊椎脊髄疾患の経験が豊富で、詳細な画像診断と綿密な診断によって手術適応を決定しています。手術は顕微鏡やナビゲーションシステムなどを駆使し、低侵襲で最大の治療効果をあげる安全性の高い手術を目指しており、実際の手術成績も良好です。
2019年には脳神経外科にて3件の椎弓形成術を実施。同科では脳神経外科疾患全般に対応している点が特徴です。2021年1月より脊髄外来の診療を開始。また、疾患に対する専門的なリハビリを受けられるリハビリテーション室も設置しています。
脊椎脊髄病を専門としている院長の治療が受けられるクリニック。脊柱や脊髄の疾患を抱えた人への治療やアドバイスを積極的に行っています。椎弓切除術や脊椎徐圧術など、さまざまな手術を手がけており、充実したリハビリテーションも院内で受けられます。
整形外科にて脊椎疾患の治療を実施。まずは十分な診察と検査を行ったのち、疾患の程度に合わせた治療を提供。症状が軽い場合には保存的治療を行いますが、症状が進行している場合には手術を行う場合も。リハビリも充実している点も同院の特徴のひとつ。
院長の園田医師は、整形外科全般を専門とし、特に脊椎や外傷を中心に治療を行っています。脊椎手術を主に行う手術室を設置しており、各種設備を備えることで低侵襲の手術を実現。さらに、同院ではリハビリテーションに力を入れている点も特徴といえるでしょう。
疾患などによって失われてしまった機能を改善することにより、患者のADLやQOL向上を目指した治療を提供している大牟田病院。脊椎外科の手術を行う上では、高度な技術が必要な場合には、佐賀大学医学部整形外科との連携の上治療を行います。
複数の日本整形外科学会認定医が在籍しています。同院の整形外科では、脊椎疾患や一般外傷、変形性関節症など、幅広い治療に対応している点が特徴。脊椎手術も多く行われており、脊椎内視鏡手術を2020年5月から行っています。
脳神経外科で、脊椎管狭窄症や脊椎不安定症などに対して脊椎固定術・椎弓形成術を行っています。また、頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症の治療では椎弓切除術の症例も増えつつあり、整形外科でも腰部脊柱管狭窄症の治療として棘突起縦割式椎弓切除術を行っています。
脳神経外科で、血管内治療やクリッピング術や脳腫瘍摘出術、椎弓形成術を行っています。リハビリテーションが充実しており、専門スタッフが目的に沿ってリハビリプログラムを作成して365日体制でリハビリテーションを提供しています。
脊椎外科を専門とし、なかでも腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊椎間狭窄症を院長の専門としているおおみや整形外科。整形外科、リハビリテーション科、内科、リウマチ科、全てを九州大学医学部整形外科のバックアップのもと治療にあたっています。
整形外科の中では特に高齢者が多い地域にあることから、骨粗鬆症や変形性関節症などの一般整形外科と、スポーツ整形を主軸に診療をしている芦屋中央病院。術後は専門理学療法士によるリハビリテーションを行い、早期の家庭復帰・仕事復帰・学業復帰・スポーツ復帰を目指しています。
首・肩・手・腰・股関節・膝・足などのケガや病気を対象に、一般的な整形から専門的疾患やリウマチの治療にも対応した佐田整形外科病院。特徴は、部位ごとに専門外来が設けられていて、より専門性の高い治療を期待できるところ。また、同地域にある福岡大学病院などの地域中核病院と連携も可能です。
オープンMRIやマルチスライスCT(16例)、超音波断層撮影装置(エコー)などを完備したうちかど脳神経外科。院長である内門氏は、脊髄外科学会指導医・認定医であり、首や腰の痛み・しびれなどに明るい医師です。うちかど脳神経外科では、「腰椎椎弓形成術(腰椎後方除圧術)」に対応しています。
脳神経・脊髄疾患治療部が中心となり、椎弓形成術が必要な症例に幅広く対応。国内外で脊椎手術を豊富に経験した医師など、実力派のドクターが診療にあたります。術後はリハビリ科のスタッフがチームを組み、症例に応じたオーダーメイドでのリハビリメニューを提供。
非常勤を含め、整形外科に計5名のドクターが在籍。中央手術部という専門部署を設け、椎弓形成術を含め日々多くの手術を行っています。リハビリ科との連携のもと、術後の患者の生活復帰・社会復帰を目指してしっかりとフォロー。
高いレベルの脳卒中医療を、24時間365日提供することを心掛ける福岡市南区の福岡脳神経外科病院。脳神経外科・神経内科を擁し、頸椎・頚髄損傷において、頸椎前方・後方固定術や、椎弓形成術(脊柱管拡大術)を実施しています。
北九州総合病院は、社会医療法人北九州病院グループの基幹病院として、24時間体制の救命救急医療・高度な検査や治療・難手術などの役割を担っている総合病院です。整形外科において、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む)の実績があります。
前身である 井手医院開設の設立から数えて、半世紀以上にわたって地域の医療を支えてきた聖マリア病院。 救急救命センターを内部に設置し、許可病床数は1000床を超える大病院です。同病院の形成外科には、常勤医師7人が勤務。時には県外からの患者も受け入れていることもあります。
地域医療支援病院および災害拠点病院に指定されており、文字通り筑紫野市で地域医療の中核を担う病院の一つである二日市病院。2021年11月現在、九州では二日市病院のみが導入している心臓用半導体SPECTシステムなどの設備を導入しており、椎弓形成術に関しても多くの施行実績があります。
地域社会へ貢献するための体制づくりを行っており、福岡県知事から地域医療支援病院としての承認を受けている小倉医療センター。整形外科では、四肢関節疾患(人工関節・骨切り術等)、脊椎外科を中心に診療を行っています。
西尾病院は、整形外科のほか、専門外来として脊椎専門外来とリハビリテーション科を設置。各科が連携して治療にあたっています。日本整形外科学会専門医や脊椎治療を専門とする医師が治療を担当。そのほか、非常勤の医師もおり、脊椎専門外来で治療・診療にあたっています。
井上病院の整形外科では、骨折、脱臼、ねんざ、くびや肩、ひざ、腰など体の痛み、骨粗鬆症など運動器のけが、病気の治療を行っています。日本整形外科学会専門医や日本脊椎脊髄病学会所属の医師が在籍し、治療を担当。整形外科部長はリハビリテーション科も兼任しており、「機能回復と日常生活動作」の早期獲得を目的として、リハビリテーションを実施しています。
椎弓形成術の基本をひととおりお伝えしてきましたが、まだまだ知りたいこと、気になることがあるかもしれません。「どの程度の症状で手術すべきなの?」「もういい年なんだけど手術は大丈夫?」等々…そんなよくある疑問にお答えします。
2019年度実績において、福岡で椎弓形成術の実績が最も多い新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センターを特集します。
脊髄脊椎外科の専門チームが
患者の目線に立ち繊細な医療を提供
「患者を中心にした医療こそが真の医療」をモットーとし、1996年4月より旧小文字病院で脊髄脊椎外科治療を提供。現在では、福岡や九州のみならず、日本各地から外科的治療を希望する患者が訪れています。