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脊柱管狭窄症は、加齢などの原因によって神経の通り道の管が狭くなる病気です。それに対して椎弓を後ろ側に切り開いて広げ、脊柱管の圧迫を取ってあげるのが椎弓形成術です。 現在は身体的負担の少ない低侵襲手術が普及しつつあることに加え、手術後できるだけ早くリハビリテーションを開始することで早期退院、早期の社会復帰が期待できます。合併症などがなく順調にいけば、概ね10日~2週間程度で退院できるでしょう。
可能性は極めて低いと考えられますが、手術によってやむを得ず脊髄や神経根を傷つけてしまうことがあります。その場合は下肢の運動障害や排尿排便障害をきたすかもしれません。 また、リスクや合併症というわけではありませんが、脊柱管狭窄症は加齢とともに進行するため、手術をしてもいずれまた同じ症状が出現する可能性があります。
手術を行なう椎間の数によっても費用は変わります。仮に1~2カ所の椎弓形成術で10日~2週間程度の入院だとすると、自己負担は3割で350,000円~550,000円程度*だと思われます。このほか、患者さん個人の希望で個室に入院した場合などは、別途自費料金がかかります。 保険適応の医療費には高額療養費制度がありますので、実際に支払う金額には収入に応じて上限が設定されます。
引用元:稲波脊椎・関節病院(https://www.iwai.com/inanami-sekitsui/gairai/shujutsu-hiyo.php)
すべて2019年度実績を掲載しています。
*実績引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター(http://center.shinkomonji-hp.jp/wp-content/themes/sekizui/pdf/jisseki2001b.pdf)
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
脳神経外科手術に用いる高度な手術用顕微鏡を用いて、ほとんどすべての椎弓形成術を低侵襲手術で行なう技術を擁する医療機関。手術の安全性・正確性の確立を第一とし、万が一のトラブルにも顕微鏡手術のメリットを活かして迅速かつ適切に対応可能です。
とはいえ、これまでの数多くの手術症例において、脊髄損傷を起こして麻痺が残ってしまったケースは一度もありません。内視鏡手術が適していると判断される腰椎椎間板ヘルニアの患者さんには、内視鏡を用いた低侵襲手術も実施できます。
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
足のしびれや痛みが軽度であれば内服薬による治療を行ないますが、症状が改善しない場合、悪化する場合は手術を検討します。足の筋力低下や膀胱直腸障害がみられる場合は早期の手術が望ましいケースもあります。手術では厚くなってしまった骨や靭帯を取り除き、神経の通り道である脊柱管を広げて症状の改善を期待します。椎間板ヘルニアが脊柱管を圧迫している場合は、状態に応じて内視鏡や顕微鏡を用いたヘルニア摘出術を選択します。
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
脊柱管狭窄症に対しては脊椎内視鏡を積極的に活用し、できるだけ背骨の周囲の組織にダメージを与えない低侵襲手術で脊柱管の圧迫を取る手術を行なっています。同院では年間約250件の腰椎手術を実施*していますが、ほぼ全例が内視鏡手術です。
腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合は、直径7mmの内視鏡システムを駆使した経皮的椎間板ヘルニア摘出術を実施。小さな皮膚切開で負担が少なく、早期の社会復帰が期待できます。手術方法は、ヘルニアの部位や形に応じて選択可能です。
九州中央病院(http://kyushu-ctr-hsp.com/guidance/department/seikeigeka/)
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
脳神経外科において脊髄脊椎疾患を受け入れており、腰部脊柱管狭窄症も診療の対象です。2000年代初めより治療・診断デバイスとなる神経内視鏡を導入。同科に在籍する日本神経内視鏡学会技術認定医による手術に活用されています。内視鏡の画像解像度や操作性は従来よりも向上しており、皮膚切開も小さくすむため低侵襲手術には欠かせません。症例数はまだ多くはありませんが、腰椎ヘルニアに対する経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア除去手術の実施数も増えつつあり、良好な治療成績を残しています。
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
同院整形外科では、日常的な整形外科疾患やケガなどはすべての医師が診療にあたり、専門性が求められる疾患はチーム制を採用。脊柱管狭窄症の場合は経験豊富な脊椎・脊髄外科チームが担当します。必要に応じて顕微鏡手術や内視鏡手術といった低侵襲手術を実施し、矯正固定などのインストゥルメーション手術(金属固定)にも対応可能です。在籍医師は産業医経験を持っているので、就業可否や仕事復帰に関する適切なアドバイスも受けられます。
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
同センターの整形外科には、日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医を含む8名のドクターが在籍。科全体で年間900件を超える手術を行なっていますが、2019年度では脊椎外科が345件でした*。患者さんの数は年々増加傾向にあり、脊椎・運動器センターのニーズは高まる一方。椎弓形成術をはじめとした高度で専門的な治療を実践し、今後も同科を支える柱のひとつとして脊柱管狭窄症など脊椎・脊髄疾患の受け入れを継続していく予定です。
*九州医療センター(http://www.kyumed.jp/guide/clinical/seikei.html?mode=jiseki)
*実績引用元:福岡市民病院公式(http://www.fcho.jp/shiminhp/shinryo/seikeigeka.html)
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
同院では、脊髄症状や四肢麻痺が顕著な患者さんを除いては、手術をせずに保存的治療を行なうことが基本方針。近年は有効な鎮痛薬が相次いで登場し、内服でも痛みをコントロールできるようになったのがその理由です。それでも症状が改善しない場合には手術を検討することになります。手術は椎弓形成術などの除圧術が基本で、必要に応じて固定術を実施します。手術後はほぼすべての患者さんが早期に歩行を開始し、リハビリスタッフによる積極的な機能訓練を行なっています。
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
九州大学病院では、脊椎疾患に対して主に脊椎固定術や椎弓切除術、そして椎弓形成術を実施しています。椎弓切除術、椎弓形成術は脊髄神経の圧迫を取り除く手術ですが、脊椎固定術は圧迫を取り除くことに加えて背骨をスクリューなどで固定する手術で、背骨自体の不安定性に適応となります。通常どの手術でも手術後数日で歩けるようになり、2~3週間程度で退院もしくはリハビリテーションを継続するための転院ができるほど回復します。
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、脊椎・脊髄腫瘍など、脊椎疾患による首の痛み、腰の痛みなどの症状に対する治療を幅広く行なっている九州労災病院。内服薬治療やリハビリテーション、神経ブロック注射などの治療も通院で実施していますが、これらの効果がなく紹介されてこられる患者さんには入院による手術を行ないます。脊椎疾患の中でも脊柱管狭窄症は頻度が高く、椎間板ヘルニアや頚椎症性脊髄症と併せて年間200例以上の手術を実施*しています。
引用元:*九州労災病院(https://kyushuh.johas.go.jp/kanja/s_seikei_geka_02d.html)
**実績引用元:caloo(https://caloo.jp/dpc/disease/845/40)
福岡大学病院で受け入れている脊椎疾患は腰部脊柱管狭窄症をはじめ、頚髄症、椎間板ヘルニアなどが大多数を占めます。手術は目先だけの短期治療成績にとらわれず、自然経過を考慮して長期成績を見据えた手術法を患者さんごとに決定します。従来のオーソドックスな手術法から低侵襲手術、脊椎インストゥルメンテーションなど新しい技術も導入。軟度の高い手術も手がけ、術前術中の脊髄モニタリングも行なっています。また、手術だけではなく保存的治療にも積極的に対応します。
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新小文字病院 脊髄脊椎外科 治療センター |
九州中央病院 | 福岡和白病院 | 福岡整形外科病院 | 福岡市民病院 |
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![]() 引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター http://center.shinkomonji-hp.jp/ |
![]() 引用元:九州中央病院 http://kyushu-ctr-hsp.com/ |
![]() 引用元:福岡和白病院 https://www.f-wajirohp.jp/ |
![]() 引用元:福岡整形外科病院 https://www.fukuokaseikei.com/ |
![]() 引用元:福岡市 http://www.fcho.jp/shiminhp/ |
2019年手術実績:194件 (頚椎107件、胸・腰椎87件) 実績引用元:新小文字病院 脊髄脊椎外科治療センター(http://center.shinkomonji-hp.jp/wp-content/themes/sekizui/pdf/jisseki2001b.pdf) |
2019年手術実績:174件 (脊椎固定術、椎弓切除術含む) 実績引用元:九州中央病院公式(http://kyushu-ctr-hsp.com/about/statistical/data/dpcdata/template.html) |
2019年手術実績:79件 (脊椎固定術、椎弓切除術含む) 実績引用元:福岡和白病院公式(https://www.f-wajirohp.jp/indicator/) |
2019年手術実績:54件 (腰椎47件、頚椎7件) 実績引用元:福岡整形外科病院公式(https://www.fukuokaseikei.com/disease/ope-table/) |
2019年手術実績:38件
実績引用元:福岡市民病院公式(http://www.fcho.jp/shiminhp/shinryo/seikeigeka.html) |
※選定条件:公式サイトで椎弓形成術の手術実績を公表しており、低侵襲手術が可能で、リハビリ病棟を開設している福岡県の医療機関をピックアップしました(2020年11月調査時点)。